関東信越税理士会会員である税理士及びその職員・家族を加入対象として健康保険事業を行っております。

関東信越税理士国民健康保険組合

理事長挨拶

理事長 本塚 雄一郎 理事長 本塚 雄一郎

 令和5年7月28日開催の第187回理事会で理事長の指名を頂きました熊谷支部の本塚雄一郎でございます。
 現在まで鋭意、役員職を勤めてまいりましたが、この度、このような大役をおおせつかり、その責任の重大さを改めて痛感しております。
 当組合を取り巻く様々な分野において、当組合の営みが発展的に好循環を達成するべく、粉骨砕身の気持ちで理事長職に邁進していく所存でありますので今後2年間宜しくお願い申し上げます。

 

1. 相扶共済

 「相扶共済」、埼玉県越谷市役所の一角に石碑が建っています。この四文字は「相互に助け合い、力を合わせて事を行う」という意味であり、昭和13年(1938 年)に制定された最初の国民健康保険法に使われていました。そして、この石碑は国保発足10周年を期して昭和23年(1948年)に建てられ、「国保発祥の地」の一つであることを示しています。私はこの「相扶共済」の精神を尊重すべきと考えています。

 

2.社会保障改革のうねり

 昭和36年(1961年)に完成したとされる「国民皆保険」ですが、近年の大きな改革のうねりは平成25年(2013 年)の「社会保障改革プログラム法」からと考えています。

 当組合は保険者として健康保険(保健)事業を行い、加入者の健康増進を図るとともに、良質かつ効率的な医療が享受できるよう、加入者や事業主の利益の実現を図ることを基本的使命としております。そして、国全体の社会保障制度の理解を深めつつ、組合の被保険者への「保険者機能の発揮」により私たちの「国保」、「税理士国保」を守っていかねばなりません。

 

3.当組合を取り巻く現状

 2025年問題の到来が迫る中、高齢化、人口減少の影響により社会保障に関する「公助、共助、自助」の考え方は複雑に変化しており、それに対応して社会保障制度も目まぐるしく改正されております。

 国民健康保険組合の運営上の重要な着眼点は様々ですが、具体的には当組合には下記のような財政に影響を与える現状が存在しています。その為、基礎賦課分保険料の見直しが急務となってきております。

① 組合員減少(ご家族の被保険者の減少が主要因ですが、一定の速度での減少傾向があります。)

② 定率補助率低減(過去において法律による大きな低減がありましたが、今後もその可能性があります。)

③ 調整補助金減額(激変緩和政策により支給されていた補助金が今後、抜本的に見直される可能性があります。)

④ 医療給付費増加(コロナ渦に減少した医療給付費は反転し増加傾向が続いています。)

⑤ 高額医療費増加(1人当たり高額医療費の増加傾向が続いています。)

⑥ 所得調査(3年に一度の所得調査により国庫補助率が更に見直される可能性があります。)

 

4.国保組合の役割

  本来、「相扶共済」「保険者機能の強化」「被保険者の救済」が重要でありますが、その実現のためには、「保険者機能」を①基本的保険者機能、②戦略的保険者機能、③適正な組織体制の整備運用機能という3つの機能に分類したうえで、それぞれ具体的目標と優先順位を定め、目標達成の事業計画を立て、具体的に改善の取組を行い、それを評価・分析(モニタリング)していくことが重要と考えております。

 また、保険者機能を考える上で、最も大切な事は「保険者の主体性」ですが、国から義務付けられた「メタボ健診を実施する」ことだけが保険者の仕事ではありません。被保険者へのサービスの観点で「費用抑制とサービスの質の両立」を考えなければならない点でかなり難しい課題が存在しております。

 

5.医療より予防、予防より健康づくり、「健康こそ財産!」

 「健康」は、私たちにとって重要な「財産」であることは言うまでもありません。

ですから、「どのように健康財産を守るか」という判断を、「財産が失われる前」に下し、自主的に健康行動を起こしていくことが大切と考えます。

① データヘルス計画の実践

 国民の疾病予防や健康増進、病気の重症化予防を目指す保健事業の取り組みが進むなか、国の医療費データ分析構想に基づいた保健事業実施計画(第3次データヘルス計画)の作成と着実な推進モニタリングにより、特定の個人・事業所に対してビッグデータを活用した健康・医療データの提供を試みます。

② 健康づくり事業の実施

 被保険者の自主的な予防、健康づくりのための動機づけとして、税理士会等との連携を念頭に、新たに開催主体の事業提供方法の選択が可能な多面的コンテンツを提供する新企画健康セミナー事業を実施致します。

 

6.一意専心

 当組合は昭和33年(1958年)12月27日に認可を頂いて、早くも65年が経過していますが、この長い歴史の中で、「相扶共済の精神」は磨かれ、組合員等、ご家族、約19,000人を擁する素晴らしい組合に発展してまいりました。税理士の国保組合は全国15税理士会中2会しかありません。

 更に当組合にはしっかりとした組織(本部国保、県連国保、支部国保)が存在しており、この組織を税理士会との更なる連携協調の中で活性化しながら、今後は給付と負担の見直しを継続して行い、更に国家の社会保障制度の変化を予測し、「相扶共済の精神」を前提として、上記の現状と課題を克服すべく組合員、被保険者を第一に据え置く運営に傾注したいと考えますので宜しくお願い申し上げます。


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